まるまるにっき

アラサー、一児の母、転職活動中です。

雨傘さす夢

ちりんちりん、と心地の良い鈴の音。 ずっしりと重い、お世辞にも開けやすいとは言えない木製のドアを押し、一歩進んだ先に広がるコーヒーの香り。 落ち着きのある「いらっしゃいませ」。 何も口にしていなくても多幸感に包まれ、来てよかったとさえ思わせる…

何者にもなれなかった者になったわたし

自分とは。 30を目前にして今更とも思えるような悩みに直面していた。SNSできらびやかな生活を送る同世代たちの投稿を鼻で笑いながらもどこか羨ましいと思っていた。鼻で笑っていたことも羨ましいと思っていたことも誰にも知られたくはない。2年前に結婚し、…

美女と八重歯

「書くことなし」 小学生のころ、交換日記がはやっていた。例外なく私も仲のいいクラスメイトと交換日記をしていた。毎日会い、毎日会話する。小学校とはそういう環境だ。にもかかわらず交換日記をしていた。口頭ではいけないのか。よくわからないが交換日記…

ごはんのあとの献立

毎晩夕食を食べる。 食いしん坊の私にとって夕食は欠かせない。どれだけ疲れていても何か食べたい。故に痩せない。 少し古風で面倒くさい性格なので「いただきます」と「ごちそうさま」は必ず言うことにしている。少なくとも心の中ではこっそりつぶやいてい…